承認の罠に陥らないようにするには?

人間の行動性向と投資(承認の罠)


承認の罠競馬をする人は、賭け金を払う前より払ったあとのほうが、その賭けに勝つ自信をより深めるという心理学の研究結果がある。我々はいったん決断を下してしまうと、たとえあとから出てきた根拠が最初の決断に疑問を投げかけるものであったとしても、その決断に矛盾するような発言や行動はとりづらくなる。

例えばある銘柄に投資した場合、下した決断に肯定的な情報には素直に耳を傾けるが(認知的協和)、そうでない情報には否定的(認知的不協和)になる。また、その投資行動を周囲に自慢したり、友人に勧めたりした場合は、内的・外的両面のプレッシャーを感じるようになり、よりバイアスが強化され、最初に下した判断に固執するようになる。そうした人間の行動性向を「承認の罠」という。

承認の罠は、柔軟性の欠如と言い換えることができる。このリスクを軽減するには、適切なタイミングで考えを変更できるように、予めプランA、プランBといった選択肢を用意し、自分の心の中に心理的シェルターを確保しておくことが重要である。また、投資を決断した基準点は、常に確率を伴った範囲の中で動くことを容認し、時には他人の極端な見方を尊重することも悪影響を軽減するのに役立つ。




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