アンカリング(高値覚え・安値覚え)
アンカリングとは、認知バイアスの一種であり、アンカー(自分の知っている物事や数字)を起点にしてバイアスをかけてしまうことを言う。アンカーは錨のこと。
例えば、隣の家のご主人Aさんの給料を推測して欲しいと言われたとしよう。ちなみにAさんの給料は30万円である。これを両隣に住む給料が100万円のBさんと、給料が10万円のCさんに質問する。すると給料の多い人はBさんは50万円ぐらいだろうと多めに見積もり、給料の少ないCさんは20万円ぐらいだろうと少なめに見積もる傾向にある。

人間が何かを推測するときは、まず自分が知っている物事や数字を起点に考えるのが普通である。このプロセスをアンカリング調整という。上記の例だと、給料の多いBさんは、自分の収入を起点に考えるので高いアンカーに基づいて多めに見積もってしまうのである。このアンカリングは直接関連性のないものにまで無意識のうちに入り込むことが実験で確かめられている。
