サンク・コスト効果の解説

サンク・コスト効果とは

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サンク・コスト効果とは、人が行動した結果、その際に生じたコストが、後の意思決定に影響することを言います。図で示すと以下のようになります。
サンク・コスト効果

例えば12万円で買ったノートパソコンの調子が悪く、修理に出したところ液晶画面の取替えとなり3万円払ったとしよう。暫くパソコンは快調に動いていたが、今度はCPU・ハードディスクなど次々悪くなり、店に相談したら8万円かかると言われました。この時、あなたならどうするでしょう? 先に3万円の修理代を投資して、今度は8万円、合わせて11万円である。これに少し足せば新しいものが買えてしまう。今のパソコンを諦め、買い替えを考えるであろう。しかし、それでは先に投資した3万円は全くの無駄金となってしまい、最初に修理を頼んだ判断も間違っていたことになる。結局、8万円を追加で払って修理してもらうことにした。ここで注意して貰いたいのは、最初に11万円かかると言われれば、この人は買い替えを迷わず選択しただろうと言うことです。なぜならそれがもっとも合理的な行動だからです。

この心理状態は含み損を抱えている投資家と同じです。ナンピンを繰り返し含み損を膨らませた投資家は、ポジションを切りたいが、先に投資したコスト(金と時間)が無駄になってしまうので、心理的にポジションを切ることができない。サンク・コスト効果の怖いところは先に投資したコスト(金と時間)が大きければ大きいほど、心理的効果が増幅され、最悪の場合、投資家に壊滅的な打撃を与えるところです。これは企業経営とて同じで、失敗した事業をなかなか切れないのもサンク・コスト効果と言えるでしょう。また、人間関係においても「腐れ縁」なんて言葉がありますが、これも一種のサンク・コストと言えます。




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