証券会社や評論家の経済見通しは、なぜいつも強気なのか?

証券会社や評論家はなぜいつも強気なのか?


私が株を始めてから20年近い年月が経ち、その間、手数料の自由化・ネット取引の普及で、証券業界は大きく変わりました。しかし、一つだけ変わっていないものがあります。それは証券会社や株式評論家に相場見通しについて尋ねると、必ず強気なコメントが返ってくるところです。上昇相場の時は勿論ですが、下落相場になっても彼等は考えを変えることはありません。雨が降ろうが、槍が降ろうが常に買いと叫び続けます。


ブル(強気)なぜなんでしょう? これは心理分析などと言う問題ではなく、単に損得で彼等は強気見通しを言っているのです。考えて見て下さい、個人投資家の8割ぐらいは常に買い持ちですから、相場が下げるなんてコメントは歓迎されるはずがありません。また強気な見通しを言って相場を外しても、その時は殆どの人が損をしているわけですから、同病相憐むといった心境で、政治が悪いだの、外国人が売っただの適当に言い訳を言っておけば誰も責める人はいません。逆に弱気なコメントを言って外すと、これは大変なことになります。皆が儲かっているのに、弱気なコメントを信じて相場に乗れなかった人や、空売りで損失を出した顧客は絶対に許してくれません。だったら常に強気なコメントを出しておいた方が、得と言うことになります。

また万年強気な人、万年弱気な人もいますが、どちらも相場を真面目に考えているとは思えません。なぜなら、上がる下がるは常に二分の一の確率な訳ですから、どちらか一方を言い続けていれば、少なくとも半分は当たることになります。その当たったときに「だから言ったでしょ」なんて具合に自分の優秀性をアピールすれば良いわけですから、詐欺みたいなものです。下手に強気になったり、弱気になったりすると、毎回外すことになりかねず、ずる賢い人がそんなリスクを取るはずがありません。ちょっと言い過ぎましたかね。でも当たる外れるは別にして、相場観の変わる人の方が、真面目に相場を考えているなと個人的には思うわけです。




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