惑星の3体問題と金融市場のカオス

惑星の3体問題と経済予測


宇宙惑星の3体問題というのをご存知でしょうか? 現在の宇宙域に太陽と地球しかなければ、地球の軌道は単純な楕円になるのですが、ここに月が入ると3つの質量が互いに影響しあうので、方程式を立てることは出来ますが、もう数学的に地球の軌道を解くことは不可能になります。地球の軌道はおおむね楕円でありながら、実は同じ場所を2度と通ってないカオスとなります。

経済予測もこの3体問題と似ています。それより複雑かな? シンクタンクや内閣府の発表する経済成長率などは、彼等は微分方程式で解くのですが、そもそもこの微分方程式は、変数が3つ以上になると、上記と同じで基本的に解けなくなります。例えば労働人口・資本量でもう2つです。そこに原材料の量など入れれば、もう解けません。従って最終的に出てくる数字は、かなり主観的なもとなります。

ここで面白いのは、経済予測や企業の業績予想は担当者の上司の性格が少なからず数字に反映すると言うことです。楽観的な性格の責任者がいる会社は、良い数字を出し、慎重な性格の責任者がいる会社は、控えめな数字を出してきます。皮肉を言うつもりはありませんが、我々投資家は、予測そのものより、予測する人の性格分析を行った方がいいかもしれません。




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