負けている投資家の心理状態を読む

損失を抱えた投資家を3タイプに分けると以下のように分類できる。
①この辛い状況から一刻も早く抜け出したいと損切りをする人。
②現実逃避をして嵐が通り過ぎるのをひたすら待つ人。
③負けを受け入れることが出来ず、資金が続く限りナンピンして回復を待つ人。
そもそも人間というのは、株に限らず嫌なことは先送りする傾向がありますから、多くの個人投資家が最初にとる選択肢は②か③だと思います。株価が短期間の値幅調整で終われば②、③の人は耐えられますが、値幅調整にプラスして時間(日柄)調整をされると、次第に耐えられなくなります。何故なら人間は短期間のストレスには耐えられますが、先の見えない長期のストレスには耐えられないからです。また信用取引をやっている場合などは、精神的に耐えられなくなる前に、追い証などで資金的にショートする人も出てくるでしょう。従って調整が長引くと次第に①に収束してくることになります。
上昇相場にしろ、下落相場にしろ、相場の最終局面(天井・底値圏)では、トレンドの勢いにプラスして、損を抱えている投資家の最終的な投げが出るので、出来高を伴ってチャートは鋭角的な上昇または下落を描いて相場が終了します。
相場と言うのは、常に買い手と売り手の攻めぎ合いで成り立っており、その均衡がどちらかに破れたとき、トレンドが発生し、一方が完膚なきまでに打ちのめされると言う性質を持っています。その様なとき、儲かっている投資家の行動心理などはどうでもよく、損失を抱えている投資家の行動を読むことが重要になります。自分が有利な方に付き、弱っている相手を攻めるのは、相場の鉄則ですが、相手が白旗を上げたと見たときは、ポジションを逆転するなど、常に負けている投資家の立場に立って相場を見ると、自ずと取るべき行動が見えてきます。