株価サイクルと投資家心理
株価上昇編
①株価が底値圏から上昇を始める。
まだこの時点では市場には悪材料の方が多く、心理面では弱気が支配的。ほとんどの投資家は買えない。
②株価は不安定ながら下値を徐々に切り上げて行く。
企業の業績はまだ悪くファンダメンタルズからは全く買えない状態。こんな上昇は直ぐに終わるだろうと誰しも考える。ファンダメンタルズ重視の投資家は空売りを仕掛ける。
③株価がチャート上の節目を次々と上抜けてくる。
チャートを重視する投資家は異変に気づき始めるが、ファンダメンタルズは依然悪いので、まだ戻り売りの好機と捉えられる。
④株価が力強く上昇を始める。
企業業績もようやく回復の兆候を見せ始め、チャートにファンダメンタルズが追いついてくる。多くの投資家が間違いに気づき買いはじめる。
⑤株価が天井をつけに行く。
業績もチャートも文句なしで買いが圧倒的となる。みんなが楽観的になったところで上昇相場が終わる。

株価下落編
①株価が高値圏から下落を始める。
まだこの時点では市場には好材料の方が多く、心理面では強気が支配的。ほとんどの投資家は売れない。
②株価は不安定ながら上値を徐々に切り下げて行く。
企業の業績はまだ良くファンダメンタルズからは全く売る理由がない状態。こんな下落は直ぐに終わるだろうと誰しも考える。ファンダメンタルズ重視の投資家はナンピン買いで対処。
③株価がチャート上の節目を次々と下抜けてくる。
チャートを重視する投資家は異変に気づき始めるが、ファンダメンタルズは依然良好なので、まだ押し目買いの好機と捉えられる。
④株価が力強く下落を始める。
企業業績もようやく悪化の兆候を見せ始め、チャートにファンダメンタルズが追いついてくる。多くの投資家が間違いに気づき売りはじめる。
⑤株価が底値をつけに行く。
業績もチャートも最悪で売りが圧倒的となる。みんなが悲観的になったところで相場が底入れする。
上記がだいたい中長期での株価のサイクルではないかと思います。買いの場合①で買えるのが理想ですが、市場は悪材料だらけで実際には殆ど買うことはできません。ここで買うチャンスを逃しても機会損失にはなりますが、実損はないので、笑って済ませられるところです。しかし、下落相場になったときの②~④に至る過程で大きなミスを犯すととんでもない損害を被ります。株式投資で間違いを犯すのは、一般投資家が認識できるファンダメンタルズが株価に遅行するため、心理面の切り替えが出来ず、対応が遅れるのでしょう。