パニックと集団思考「ショック効果」

パニックと集団思考


心理実験によれば、信頼性が高まれば高まるほど変化に対す行動は強化されるとある。しかし、いったん心理状態が変わると、新しい方向性は従来と逆になる。心理学者の中にはこれを「ショック効果」現象と呼ぶ人もいる。

集団思考の特徴は一連の危険性の無視ないし軽視である。同じ銘柄への過度の投資、見通しの明確さの一時性。すなわち強い信念を持っていた人が、強い幻滅を抱いた場合、その思いは強化され更に強い確信を持って反対の意見に傾斜するケースが多い。愛する人に裏切られた場合、相手を酷く憎むようになる心理と同じである。

信頼が裏切られ、不安が高まれば高まるほど、人間は行動をおこす可能性が高まることが、実験から分かっている。相場暴落時におけるパニックは、自分が危機に巻き込まれると言う感情である。自分が生き残るには、直ぐに行動をする必要があると考え出口に殺到する。しかし、安全に逃れる道が閉ざされてしまうため、恐怖から自制心も失われてしまう。焦りや不安感が強い時ほど、集団思考と服従への圧力は強くなると言える。相場暴落時に買いを入れるのは、結果論で見れば儲かるケースが多いが、このような状況下で自分が反対行動をとることは、心理的に非常に困難なのである。




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