ギャンブラーの誤謬

ギャンブラーの誤謬に陥る投資家


ギャンブラーの誤謬(gamblers-fallacy)とは、自分の主観や経験などで確率論に基づいた予測がゆがめられてしまうことです。

ルーレットよく例え話で登場するルーレットの赤黒で説明します。ルーレットで赤の出る確率は1/2、黒の出る確率も当然1/2です。しかし、9回連続で赤が続いた場合はどうでしょう? 「これは異常だ! こんなことは今まで経験したことがない」 ちょっと学のある人は生起確率は平均に回帰するので次は黒が出るだろうと考えますし、なかにはもう赤しか出ないんだと考える人もいるかもしれません。



ギャンブラーの誤謬(gamblers-fallacy)
しかし、この考えはどちらも間違いであることが分かります。ルーレットのように一回一回が独立して試行されるゲームでは、それまでのゲームがどのように展開していようと、次のゲームにその偏りの影響が及ぶことはありません。つまり次に赤の出る確率は1/2、黒の出る確率も1/2なのです。自分の主観や経験で、次に黒が出る確率を高く見積もってしまう、これがギャンブラーの誤謬と言われているものです。

投資家は必ずギャンブラーの誤謬に陥る
必ずというと語弊があるかもしれませんが、プロでもアマチュアでも上昇や下落が何日も続けば、そこになんら合理的根拠が見いだせなくても、「そろそろ反転するのでは?」 と思い込むようになります。勿論、自分も例外ではありません。

テクニカル分析で上昇した日と下落した日を比べ、買われ過ぎ、売られ過ぎを計るサイコロジカル・ラインや、市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を比べた騰落レシオなども、合理的根拠のないソロソロという考えに基づくものと言えます。これらの指標(他のオシレーターも含め)を使うことが正しいか、正しくないかをここで論ずるつもりはありません。ただ、正しいなら使って人はいる全員大金持ちになるはずですし、正しくないから全員オケラになっていることでしょう。私の見る限りそのどちらでもないので、当たるときもあれば外れるときもあるといか言えません。大切なのは自分の主観や経験を過信して大博打を打たないことと、投資家は誰でも簡単にギャンブラーの誤謬に陥ってしまう危険性があることを認識することだと思います。




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