新聞の見出し一つで変化する投資家心理

新聞見出しと投資家心理

新聞
文字というのは恐ろしい。同じ客観的事実を伝えるにしても、記事の書き方一つで、投資家に与える心理的バイアスは、かなり違ったものとなる。例えば、好業績を発表したA社を以下の3タイプに分けてみた。どれも事実であり、嘘はありませんが、心理的にはかなり違ったもとなるはずです。


見出し1
A社、業績好調。今期20%増益で過去最高益更新。

見出し2
A社、過去最高益更新も伸び率は鈍化。

見出し3
A社、増益幅縮小、来期は不透明要因多し。

見出し1は「業績好調」・「20%増益」・「過去最高益」とポジティブな言葉が並んでおり、多くの投資家は、まだこの会社の株を買いたいと思う筈です。

見出し2は「過去最高益更新」を、その後の「伸び率鈍化」で相殺し、投資家は様子見か、一旦は売りと言う気分が強くなる筈です。

見出し3に至っては、「増益幅縮小」・「来期は不透明」とネガティブな言葉が並んでおり、買うよりも、まず売る方を考える筈です。



では今度は業績の悪いB社の決算を記事にしたケースを見てみましょう。

見出し1
B社、不振。3期連続の経常赤字で無配継続。

見出し2
B社、赤字継続も、幅は縮小。

見出し3
B社、赤字幅が縮小。来期は黒字化に目途。

見出し1は「不振」・「3期連続経常の赤字」・「無配継続」とネガティブな言葉が並んでおり、これを見て、積極的に買いたいと思う人はいない筈です。

見出し2は、「赤字継続」の文字を「幅は縮小」で大きくカバーしており、それほど悪い印象は受けない筈です。株価には寧ろプラス要因かもしれません。

見出し3は、「赤字幅縮小」・「来期は黒字化」とポジティブな言葉が並んでおり、悪い印象はありません。多くの人は逆に買いたいと思う筈です。

どうですか? 見出しのつけ方一つで、こんなにも違ったイメージになってしまうのです。勿論、記事の受け手である投資家がどのように感じるかは個人差があり、一概には語れませんし、新聞記事だけで投資判断をしている訳でもないでしょう。しかし、記事を見た投資家の多数が同じ行動をとれば、結果として株価は大きく変動します。記事を書く基となったソースが同じでも、書き方一つで投資家心理と言うのは、大きく変化してしまうのです。そして多くの投資家が心理的バイアスにより、間違いを犯したときが、投資のチャンスと言えるでしょう。




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