ヒューリスティック(簡便思考、近道)とバイアス

ヒューリスティックとバイアス

ヒューリスティック
人が何か問題を解くときに、アルゴリズムに従って理詰めで解決に導いて行く方法と直感的に素早く判断する方法があります。この後者の直感的に素早く判断することを、ヒューリスティック(heuristics)と言います。日本語では簡便思考、近道などと言われている。ヒューリスティックによる判断は、実際正しいことが多く、非常に便利な能力と言えますが、固定観念や外部からの影響を受け間違った判断を下してしまうこともあります。


ここで簡単なテストをして見ましょう。次に述べる人の職業はなんでしょう?

彼はとても好奇心が旺盛で勤勉な人です。趣味は骨董収集と歴史関係の書物を読むこと。


1.アパレル店員

2.考古学者

多くの人は考古学者だと答えると思いますが、それは間違いである可能性が高いと言えます。なぜなら、世の中は考古学者よりアパレル店員のほうが多いので、確率から考えればアパレル店員である可能性のほうが高いのです。このようにヒューリスティックは、考古学者はこうあるべきだと言う自分の持っている固定観念がバイアス(偏り)となり、判断に影響を与えてしまうことがあるのです。ヒューリスティックによる判断ミスは、医者の誤診などを始め、様々な事柄で起こり得ます。ベテランの投資家は、豊富な経験に基づき初心者より素早く正しい判断をしますが、時に固定観念がバイアス(偏り)となり、間違った判断をしてしまうことも多いのです。
メディア
また確率判断で間違いを引き起こす要因にメディアの影響も大きいと言えます。例えば、航空機事故で100人の死者が出ると、朝から晩までその悲惨な映像がTVで報道されます。これも確率から言えば、毎年自動車事故で亡くなる人の方が遥かに多いのですが、このような報道に接すると実際の確率より飛行機の危険性を高く見積もってしまうようになります。

これを株におきかえると、株価が上昇を続けている時は、メディアも総じて強気でポジティブな情報ばかり流すので、投資家のバイアスは強気方向に強化されていきます。逆に株価が下げている時はメディアも弱気で情報もネガティブなものに偏るので、投資家は更なる下落リスクを多く見積もるようになります。このようにメディアの情報が投資家の心理面に少なからず影響を与え、天井で買ったり、大底で投げたりといった間違いを引き起こす一因となる。また、自分が影響を受けなくても、相場は一人でやっているわけではないので、周りが影響を受ければそれに巻き込まれてしまいます。

人は確かな手掛かりのない不確実な状況下におかれると、ヒューリスティックによる判断に依存します。株式市場はインサイダー情報でも持っていない限り、なんの手掛かりもない不確実な状況下なので、ヒューリスティックの罠に陥りやすいと言えます。




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